Yuiri
あなただったのね!ウィリアムモリス
2025年12月03日
要約
- 地方の美術館でウィリアム・モリス展を見て、憧れや違和感、イライラが混ざりつつ最終的に満足した。
- モリスの手仕事と量産、美しさと効率のせめぎ合いが現代の自分の感情に重なって腑に落ちた。
- 展示を楽しみつつも、モリスの私生活や贅沢さに対して複雑な気持ちを抱いた。
地方にいると、美術館で展覧会が開かれるなんて一大イベントだ。
母と予定を合わせ、自宅から車で約1時間。今日も目的の展覧会へと向かった。
到着したのは、美術館とは言い難い、こじんまりとした建物。
「終わった。今日はハズレだ。」と心の中で思っていると、母が
「今日本当は新・山本二三展の方に行くか迷ってたんだよね〜」などと言うので、
「なんでジブリ好きなのに言わなかったの」と子どものようにがっくりした。
心に秘めていたつもりの感情が、堂々と外に溢れていたことにその時やっと気づく。
ウィリアムモリスって誰だよ、というテンションで展示を見始めたのに、
「自分で設計した家で愛するパートナーや仲間と作り上げていくなんて、なんて幸せなことだろう。」と憧れを抱き、
「でもどうして不倫相手と一緒に住んでいるのだろう、優しいにも程があるよ。」と全く同情できず、
その一方で「このフォントは美しいなぁ」と浸り、
「美しさを取り戻そうたって、なんて贅沢な。」と思うほど金欠な私はまたイライラしていた。
それでも結局パネルで記念撮影をし、ポストカードを買って、達成感に満ち溢れた。
今日のこの時間を無駄にしたかもしれないというイライラまで、
すべてウィリアムモリスで消化されてしまったのである。
美しさと効率、手仕事と量産。
そのせめぎ合いはモリスの時代からずっと続いていて、
結局のところ、私が美術館で感じた違和感も憧れもイライラも、
ぜんぶ繋がっていたのだなと、今になって静かに腑に落ちた。




